作词 : 茶谷 琉生
作曲 : 茶谷 琉生
誰なの。誰だろう。見えない声が聴こえる。見えない色が抜け落ちた。誰。誰だろう。
軽やかに歩を進め。意のままに日々が過ぎ。見えたはずの背を追う。帰る場所を見失ったまま、また喘ぐ秒針が、辿り着いたはずなのに声が、消えた。
ままで
息づいた島の声。当てもなく走り出す。心地よさに堕ちていく。帰る場所を見失ったまま、ただ過ぎ去る音を、目の前で打ちひしがれた日々を、過るままに飲み込んだ。
そこにいるはずの、そこにいるはずなのに、不透明な声で、僕を呼ぶのは
誰。
ただ誰もいない寂しさと風だけが空に満ちた。
七月十五日、空を仰ぎ眠る。項垂れたリズムで、項垂れたリズムが日々をなぞるだけ。
だけだ。
七月十九日、海を見つめていたら、海を見つめていただけなのに、「初めまして」という、その声の君に手を引かれていた。
八月十九日、見慣れた背を追った。汝が、走って転んで笑う。君の音を噛締めた。
時。
そこに居るのに、また、不透明で、不透明な記憶が消えた。
遊び疲れた夕暮れに、「思い出した」と、そうあなたは言う。二度と遭うことが無いように、鬼の居ぬ間に
さぁ声を上げて。
誰。その手に応えても、何千、後の過去は
僕の居場所じゃない。
孵らない。影にそう願うから、何千通りの道を、何もかも
捧げてくれ。
ぶつかり遭った音で、声が届かない水平線に、光が溶けていく。
項垂れたあなたと一瞬を、ただはしゃいでただ笑うだけの輝かしい残り香に縋り、あなたの願い、(それ)ごとすべて
、記憶が光るように。今すぐそこに。
七月十九日、空を見つめていたら、空を見上げていただけなのに、困った顔が覗く、ただ覘く、君は誰なんだ。ろう。
八月十九日、見慣れぬ背を追った。汝が、走って転んで笑う。先の何かを望んでいた。何を望んでいた?
時。
そこに居るのに、また、不透明に、不透明な声を
消した。
はずなのに、
忘れられない。
誰。その眼で穿つまで、何千、前の未来を
突き放した?
その世界で。もう遅いと分かっていても、すべて忘れてしまいたい。忘れない。
そう願った。
また会えたその記憶で、もう何が欠けても後悔しないから、もう忘れさせてくれ。
目が覚め、夜が明け、何もかもが空く。息づく、息する。何もかもに飽く。飲み込まれていく。揺れ動く音に。
誰。誰なの。見えない声が聴こえる。誰かが言う。ただ、
「帰ろう」と。